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無骨で頼もしいペリカンケース愛好家のためのサイト。ペリカンケースに関する情報を不定期に発信しています。記事内には広告及びAmazonアフィリエイトリンクが表示される場合がございます。
注目
旅行用「エリートラゲッジ」シリーズ
旅行用途など民生用に開発されたペリカンケース「エリート・ラゲッジ」シリーズはタフさはそのままに使い勝手をアップさせた魅力的な新しいベクトルのラインナップです。
※当該モデルは残念ながら2020年1月に終息モデルとなりました。
ペリカンケースには「エリート(Elite)」シリーズなる若干趣きの異なったラインナップが存在しました。
2012年に登場したエリートシリーズは、ペリカンプロダクツ社が新たに民生用途市場に投入したシリーズで、先ずはクーラーボックス(「エリート・クーラー」シリーズ)からスタートします。
【参考リンク】Announces Pelican Elite Coolers | Pelican
Pelican Products - Press Release: Pelican Products, Inc. Announces Pelican Elite Coolers
※2012年はペリカンプロダクツ社が次なる成長戦略として民生市場(=スマホケースやバックパック、LEDライト等)への製品投入を一気に加速させた(ラインナップ展開が大きく増えた)ターニングポイントとなった年でもあります。
エリートシリーズは、ざっくり3つに大別ができます。
1つ目はクーラーボックス「エリートクーラー」。エリートシリーズは2012年リリースのクーラーボックスからスタートします。
2つ目は、いわゆる旅行用スーツケースである「エリートラゲッジ」。こちらは2014年にリリースされ、2020年1月に終息モデルとなっています。
そして3つ目は、ノートPCやカメラを収納する「バックパック」や「スマホケース」等その他アレコレ。
クーラーボックスやバックパックについてはここでは触れません。「エリートラゲッジ」に焦点を絞ってご紹介します。
「エリートラゲッジ」の特徴は、「旅行」や「レジャー」等にフォーカスしている点にあります。その為、ペリカンケース最大のネックであるところの重量問題について「エリートラゲッジ」では軽量化が図られています。
例えばエリートラゲッジの中型キャリーバッグ「BA22 Elite Carry-On」の場合、外寸550mm × 352mm × 229mm / 内寸 487mm × 285mm × 203mm 。最も人気のある往年のペリカンケース1510と、ほぼ同じ大きさ&容量(約27L)ですが、ペリカンケース1510の重量が5.4kg(ケースのみ)に対してエリートは4.5kgと、約17%軽量化しています。
ペリカンケースの軽量モデルである「Airシリーズ」と比較した場合、同サイズとなる「Pelican AIR 1535」は僅か「3.9kg」と、エリートラゲッジよりPelican Air1535の方が軽量(!)です。
重量では劣るエリートラゲッジですが、幾つか特徴があります。
まずTSAロックの標準装備。米国で飛行機に乗るなら必須となるTSAロックとは、警察や空港警備など一部の人たちがテロ対策など必要に応じて共通鍵で開ける事のできるロック機構です(2001年のアメリカ同時多発テロをきっかけに導入されました)。このTSAロックでは無い場合、施錠して預けることができません(TSAロック以外で施錠したら運輸保安庁の係員が鍵を破壊して中を確認します)。
そうした理由からTSAロックはキャリーバッグの定番となりました。しかし、これまでのペリカンケースには標準でケース自体にTSAロック機構が内蔵されておらず、施錠する際は別途TSAロック錠を用意する必要がありました。
その点、エリートラゲッジでは、このTSAロックが標準装備されています(3桁のダイアル式ロック)。
上記画像を見ると「TSA002」が使われているようですね。
余談ですがTSAロックは昔からマスターキーが流通している為、セキュリティ面での意味を為さない飾りですが・・・
話をエリートラゲッジに戻します。もう少し詳しく見て行きましょう。
エリートラゲッジの特徴として他にも「出っ張りの少ない表面」が挙げられます。一般的なペリカンケースでは手持ちのハンドル部分や、留め具のラッチ部分はケースからはみ出して装着されていますが、エリートラゲッジではハンドルもラッチもケース表面とツライチになる様に引っ込んだ位置にあります。
飛行機の手荷物預かり等(とりわけ海外では)雑に扱われるシーンにおいて、引っ掛かりや破損のリスクを最小限にできます。嬉しいのは引っ込んでいるにも関わらず、内部容量を確保できている点ですね。
加えて、ペリカンケースらしく防水性能もバッチリ。上記はYouTube「Dana Safety Supply」チャンネルの動画より引用していますが、急流ラフティングでも平気です。中型キャリーバッグ「BA22 Elite Carry-On」は、水深1mに30分水没しても浸水しない仕様とのことです。
従来からペリカンケースの大きな欠点であるホイール(ウィール/車輪)のゴロゴロ転がした時の騒音はどうでしょうか。
(私自身はエリートラゲッジの実物を転がした経験が無いのですが)ネット上の情報を見る限り、特段ホイールが静かな訳では無いが騒音が激しい訳でも無い。いわゆる一般的な旅行キャリーバッグのソレと同じようなホイールで特段煩くは無いとの事。これは大きなメリットですね。
「エリートラゲッジ」は容量に応じて3種類あり、さらに各々ケースのみの「BA」と、トラベルケースが付属する「EL」の2種類が存在し、計6種類のラインナップとなります。
BA | EL | |
概要 | ケースのみ | トラベルケース付属 |
容量 28L |
BA22 Elite Carry-On Luggage | EL22 Elite Carry-On with Enhanced Travel System |
〃 画像 |
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容量 47L |
BA27 Elite Weekender Luggage |
EL27 Weekender with Enhanced Travel System |
〃 画像 |
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容量 78L |
BA30 Elite Vacationer Luggage |
EL30 Elite Vacationer Luggage with Enhanced Travel System |
〃 画像 |
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発売当時、米国Amazon.comの価格等を見ると「BA」も「EL」も殆ど同じ価格(価格差は数千円レベル)でしたので専用リッドオーガナイザー等の付属する「EL」が魅力的と感じます。
ただ、従来の無骨なペリカンケースのイメージと違ったのか(ペリカンケースに魅力を感じる層の期待とミスマッチだったのか)2014年リリースは華々しく多色展開されていましたが、2018年頃には既にブラック一色のみに縮小。そして、2020年にはエリートラゲッジのラインナップ自体が終息してしまいます。
ペリカンプロダクツ社のリリースによると、エリートラゲッジを買いに来た客には下記のようにAirシリーズのトラベルケースが代替の推奨対象モデルとなっているようです。
確かに、似たような価格帯ならAirシリーズの方がペリカンケース愛好家としてはロマンを感じてしまいます(笑)。ペリカンケースは無理して垢抜けしなくても、無骨なままの方が好まれるのかも知れませんね・・・。
(エリート・ラゲッジは私も狙っていましたが中々、日本での正規取扱店が見つからず入手が困難であったこと、個人輸入についても円相場の推移を見ながら手をこまねいていたところ、あえなくディスコンになってしまった次第です・・・。EL22、欲しかったなぁ)
[了]