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無骨で頼もしいペリカンケース愛好家のためのサイト。ペリカンケースに関する情報を不定期に発信しています。記事内には広告及びAmazonアフィリエイトリンクが表示される場合がございます。
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ペリカンケース1440のホイール交換
キャスター付き縦型ケース「ペリカンケース 1440」のホイール(キャスター)を交換してみました。
・・・が、ペリカンケース 1510の交換時のようなスマートに交換はできず、ケースの一部に穴を開けるという"荒技"を用いた為、積極的にはオススメできませんが、参考までに掲載しました(この方法を用いると保証が効かなくなる点に注意)。
ペリカンケース 1440は、1510等と同じホイールサイズ(M)を採用しており、例によって騒音が酷い上に振動も拾うので不快ですし、精密機器を入れるには振動が気になる等、なにかと億劫で使用頻度が低かったです。
そこで一念発起し、ペリカンケース 1440のホイールも交換することにしました。
ネットを検索すると海外のサイトinstructables.comでは以下のようにホイール車軸のピンを簡単に引っこ抜いてホイール交換する方法が紹介されています↓
しかしながら、私の持つペリカンケース 1440は、上記に紹介されているような方法ができません。それは、車軸のピンが、上記サイトのようなピンの引っ掛かりが無く、下記画像のようにピンが埋まっていて取り出せないのです。
このようにホイール車軸ピンの頭が完全に埋まっていて(奥まっていて)、取り出せません。
私のペリカンケース 1440は、けっこう古いので(タイトル画像にもあるようにペリカンロゴがモノクロ時代なので)仕様が違うのかも知れません。
そもそもペリカンケースは同じモデル名や型名でもリリース時期により微妙に(そして告知なくいつのまにか)仕様がコロコロ変わっていたりするので詳細は謎です。
前述のinstructables.comなるDIY情報を集めたサイトに掲載された写真では車軸のピンがT字型になっている(いわゆるT字ピン)ですが、私のは単にストレートなピンになっています。
ペリカンケースのパーツ通販pelishop.com(ドイツ)でも、1440のピンは私のと同じ形状のピンで、T字ピンは見つからず。
・・・そこで、仕方がないので、メーカー保証が効かなくなる事を覚悟の上、下記のようにケース内側に穴をあけてピンを内側から押し出すことに。
もう無理やりにでも、ホイール交換してやろう!と決意↓
上記はペリカンケース 1440の断面イメージ図です。黄色で示したホイールの車軸ピンをケースの内側から穴をあけて押し出します。
電動ドリルで穴あけすれば簡単なのでしょうが、位置が微妙に奥まっていて、電動ドリルを突っ込んで穴をあけるには難儀しそうだったことや、指先でピンにあたる感触を確かめながら穴あけしたかったので古典的なキリを用いて手で穴あけしました。
少しずつキリでグリグリと穴を掘り進めていくと・・・ピンの金属の感触が指先に伝わるので、そこで止めてピンを押し出します。
穴あけの位置は目見当で、大体上記のような感じでした。キリから精密ドライバーに持ち替えてホイールの車軸ピンを押し出します。
ホイールの車軸ピンには、抜け防止のためのギザギザ状のストッパー部分がついているので、車軸ピンを押し出すのは少々チカラが必要です。
私は前述の掲載画像のようにキリから精密ドライバーに持ち替え、ゴムハンマーで軽く叩いて車軸ピンを引き出しました。
やっと出たホイールの車軸ピン(40mm)。改めて確認しても、やはりT字ピンじゃないですよね。
これ、ペリカンプロダクツ社はホイール交換修理のとき、どうやってるんでしょう。謎です。
ペリカンケース 1510のホイール交換時にも見た、例の煩い粗雑なホイールですね・・・頑丈なのが取り柄ですが、上記画像にもあるように使っていると、やがてヒビ割れしてきたりします。
今回、交換用ホイールとして選んだのは、安っすい中国メーカーのもの(Amazon.co.jpの商品にリンク)。
ホイールにあまり拘らなかったのは、重たい機材(そもそもペリカンケースそのものが重い!)を収納して歩き回るとスグに摩耗してくるので、消耗品と割り切って安価なホイールにしました。
選ぶ際の注意点はホイールのサイズ。外輪径 60mm/内輪径 6mm/幅 18〜20mmのを選びましょう。車軸の長さは気にしません。車軸は元のペリカンケースに付いていたのを流用するので何でも良いです。
上記が交換用の静音ホイール。安物だけあって、このベアリングの滑りは酷かった。全然回らない。
このベアリングは使わない(ペリカンケースについていた車軸ピンが通らないので使えない)ので、ベアリング精度についても何でもいいです。欲しいのは静音ゴムなタイヤ部分のみ。
元のペリカン純正ホイールからベアリングを外します。ホイール1個につき、2つのベアリングが挟まっているので、2つとも取り出します。
交換用ホイールにベアリングを移植したところ。因みにペリカン純正のホイールについているベアリングは中々滑りも良いです。
あとは、これをケースに装着すれば良いだけ、ですが、その前に1つやっておかねばならない事があります。
ペリカンケースのウリは、頑丈さの他にも「防水性」にある訳です・・・が、前述のようにホイールの車軸ピンを抜きたいが為に、あろうことかケースに穴をあけてしまったので、防水性能はこの時点で完全アウトになります。
私は海や川で、ペリカンケースを直接水に浸けるような使い方はしないので、厳密な防水性を必要としていませんが、それでも日常タウンユースでも雨の日に浸水したりしたら困るので、穴を塞ぐことにしました。
用いたのは「ボンド ウルトラ多用途SU プレミアムソフト」(Amazon.co.jpへのリンク)。ペリカンケースの素材(コポリマーポリプロピレン(PP))などのプラスチック素材全般に接着することや、柔らかなソフトタイプなのでケースへの振動により硬化した接着剤が割れる心配も少ないこと、そして水に強い点。
この「ボンド ウルトラ多用途SU プレミアムソフト」を下図のように、穴を貫通させた軸穴に塗布します。
あくまで日常ユースケースでの「気休め程度」の浸水防止な点にご留意を。水に沈めたら水圧が掛かりますので、ボンドで穴を埋めた程度では簡単に浸水すると思われます。
気休めボンドを塗ったあとは、交換用ホイールを装着します。ホイールの車軸ピンにはドライバーをあてながらゴムハンマーで叩き込みました。
上記の図みたいなイメージですね。いまのところ(海に投げ込む等は試してはいませんが)雨の日の浸水は防いでくれています。私のユースケースには十分でしょう。
繰り返しになりますが、穴あけ改造をするとペリカン・プロダクツ社の保証が効かなくなります。くれぐれもご留意の上、自己責任にて行うよう、お願いします。
ペリカンケースは、この1440もそうですが、同じくキャスター付きのペリカンケース1510等でも、地面とのクリアランス(地面とケース底面の隙間)が僅かしか無いのが欠点。少しの路面凹凸でもケース底面をガツンとぶつけたり擦ったりしてしまいます。
ホイール口径を大きなものに交換できればいいのですが、ペリカンケース のホイールが収まるアーチ部分は純正ホイールのサイズ(直径60mm)にギリギリで作られているので、口径の大きなホイールを装着できないんですよね。困ったモンです。
これまでペリカンケース1440は、ガラガラと引いたときの騒音が嫌で、あまり活用の機会が無かったのですが、静音ホイールに交換すると途端に外に持ち出したくなってくるから不思議なものです。
前述のように、台車のような不躾な騒音がなくなった点もメリットですが、やはり振動が大きく低減できたのも良かったです。私のペリカンケース1440は、ケースのみ(No formかつNo Divider)のため、中に入れた収納物にケースの振動が直接伝わっていました。
柔らかな素材で出来た静音ホイールに交換したことで、路面の凹凸がホイールからケースに伝わる振動が低減し、ノートPCやカメラ等の精密機器を安心して入れれるようにもなりました。
ただ、繰り返しになりますが、穴をあける改造はペリカン・プロダクツ社の保証が効かなくなりますし、防水性能も諦めることになるので(タイタニック号に乗る予定だったり、アマゾン川をボートで渡る予定のある方は)ご注意ください。
・・・自己責任でお願いします!〔了〕